ナイフのグリップを替えてみよう 安いナイフだと、グリップは木製またはプラスチック製です。 |
|
|
これが今回使うグリップの材料になる、鹿の角です。
北海道の知床は羅臼に有る、インターネットカフェ「知床倶楽部」の マスターから頂きました。 切ってしまうのがもったいないですが、 これを使って、ナイフのグリップにしたいと思います。 |
これが今回改造したナイフです。 お金が無くて、これしか買えなかったんですが、 やはり安物は駄目です。 無理しても良いのを買いましょう。 |
今回使用したもの
今回はこの部分から取ることにしました。
12徳ナイフなのでこれだけの量が必要ですが、 普通のホールディングナイフなら、この半分くらいで済むでしょう。 切断には普通の鋸を使用しました。 |
|
次に、切り出して棒状になった角を、ケガキ線を参考に縦に半分に切り、 更に鋸で適当な大きさにカットします。
あんまりぎりぎりに切ると、失敗した時に取り返しがつかないのですが、 大きすぎてもこれからの作業が大変になります。 |
これからは、ひたすら削る作業になります。 ケガキ線を目標に、削り過ぎない様、注意して削りましょう。 ちょっと削ったら、古いグリップを当てて確認して、 またちょっと削る、この繰り返しです。 削り方のコツは、水をつけながらやる事。 鹿の角は、水をつけると加工し易くなります。 私は洗面所に水を張り、ボロ布を敷いてその上で削りました。 形が大体同じになったら、今度は厚みを同じにします。 普通はヤスリの方を動かして削りますが、 この作業はヤスリを固定して、角を動かして削る方が楽です。 ヤスリにたっぷり水を掛け、角を研ぐような感じで動かして下さい。 今回は片側を成形するのに、1時間くらい掛かりました。
このナイフは、グリップの内側が彫り込まれていて、 本体がグリップにちょっと埋まるような形になっていました。 めんどくさかったのですが、同様に角のグリップも中を掘ります。 掘るのには彫刻刀を使用しました。 更に、ピンセットと爪楊枝がセット出来るようになっていました。 めんどくさかったので、ピンセットだけはまるように、 片側のグリップを彫り込みました。
削り終わったのがこれ。
これを、接着剤でナイフ本体に接着します。 今回は2液性のエポキシ接着剤を使用しました。 以前、別のナイフのグリップを鹿の角にした時も この接着剤を使用しましたが、その後全然問題ないです。 |
|
完成! これで世界に一つしかない、自分だけのナイフが出来上がりました。 これは知床倶楽部のマスターにプレゼントしました。 ビクトリノックス等で最初からフリップが鹿角製の物が有りますが、高いですよね? でも作ってみれば判ります、値段の訳が・・・ その後もいくつか作りましたが、大まかに切り出すのに半日位掛かってしまいます。そして仕上げにまた半日・・・ |
今度はシースナイフに挑戦!
|
使用したもの
今回はこの部分を使おうと思います。 この様に鋸で簡単に切断出来ます。 | |
このようにカットしました。 真ん中の部分をそのままグリップにします。 | |
ブレードを埋め込むための溝を掘ります。 鋸で縦に溝を入れましたが、ブレードが溝より厚かったので入りませんでした。小型ヤスリや、ブレードの反対側などを使って溝を拡げます。 | |
溝が掘れたら、ブレードを固定するための穴を開けます。 ブレードには、リベットが通っていた、約4ミリの穴が開いています。 今回はこれを利用して、ボルトで固定しようと思います。 M4のボルトはぎりぎり通らないので、M3を使用します。 穴を貫通させてナットで締める事も考えましたが、 途中で止めてタップをたてる事にしました。 接着剤も使用する予定なので、強度は足りると考えました。 鹿の角のブレードの穴と同じ位置に、2.8ミリのドリルで穴を開けました。 (ホントは2.62ミリが良いらしい) ナイフのブレードには、作業中の安全のためにテープを貼っています。 その後タップをたててグリップの加工は終了です。 グリップの溝に接着剤を塗ったブレードを入れて、M3のボルトで固定します | |
どうせならカッコイイボルトを使用したい所ですが、 今回は入手する時間がないので、普通のボルトを使用しました。
気に入ったボルトが手に入ったら、交換すれば良いのです。 3/10更新 や〜っとボルトを交換しました!今度はつや消し黒のトルクスです。引き締まって良い感じになりました。 |
|
このひねくれ具合が手のひらにフィットして、いまのところとても良いです。
左利きの人は使いにくそうですが・・・ 先日知床倶楽部のマスターにプレゼントしました。 |
その1
今回使用した鹿の角は、知床の鹿の角で、 外側は堅いのですが、中が「す」になっています。
その為、加工がとてもし易いのですが、 問題もあります。 それは、加工した時、「す」が横から見えてしまうことです。
かっこ悪いので、材料を切り出すときそれを考えて切った方が良いです。 削る時も、なるべく白い堅いところだけが表面に出るよう、削ると良いと思います。
ナイフ屋さんで売っている角は、中まで身がぎっしり詰まっているので、 そんな心配は要らないでしょうが、その分加工が大変だと思います。
今回の鹿の角は貰い物だったのでタダだったのですが、 現地で買うと結構高かった気がします。
でも、ナイフ屋さんで売っている角はもっと高いです。
その2
角は水をつけると加工し易くなりますが、 皮膚も水でふやけると傷つき易くなります。
私も傷だらけになってしまいました。 気を付けて下さい。
その3
今回ケガキ線を入れるのに、水性のペンを使用しました。 ところが、水性なのに洗っても消えず、完成後もちょっと残ってしまいました。
鉛筆などの方が良いのかも知れません。
その4
今回は12徳ナイフで作ってみましたが、 ブレードの大きさが同じなら、普通のホールディングナイフの方が
材料の使用量が少ないので削る量も少なくて済み、楽だと思います。
その5
ログナイフ編で、ブレードを入れる溝を拡げる作業は非常に大変でした。 ホームセンターを探したのですが、同じ厚さの鋸が無かったのです。
木のグリップは回転鋸で溝を掘っている様です。
その6
電動工具を導入してみました! 小さな回転鋸と、ちょっとだけパワーの有るルーター、そしてミニベルトサンダーです。秋葉原&オークションで安く入手しました。これで効率アップと思いましたが、それがなかなか・・・・。回転鋸は小さすぎ、溝を入れるのがやっと。ルーターはパワーアップしたといっても所詮安物、まだまだパワー不足です。ベルトサンダーには期待していたのですが、ミニだけに乾いた角を削るのはやはり時間が掛かります。さらに削り粉が飛んで飛んで、おかげで部屋中が真っ白&パソコンが不調になりました。結局「全部手作業でやるよりはちょっと早いかな?」程度でした。
最後に、鹿の角をくださった知床倶楽部のマスター、どうもありがとうございました。
また、グリップを鹿の角で作るとカッコイイ!とヒントをくれた「テントさん」にも感謝!
ページの一番上へもどる